皆さんこんにちは！「機能的で快適な美しい口腔を創り、それを守り続ける歯科医療」を目指す、宝沢伊藤歯科医院です。

インプラント治療は、失った歯を補うための優れた治療方法ですが、インプラント治療を成功させ、長く使用するためには治療後の適切なメンテナンスが重要になります。本記事では、インプラント治療後にメンテナンスを怠った場合のリスクと、インプラントの状態を保つためのケアのポイントについて詳しく解説します。

■インプラント治療後のメンテナンスの重要性

インプラントは、チタン製でできた人工歯根を顎骨に埋め込み、その上に人工歯を装着することで、失った歯を補う治療です。見た目や機能性は天然歯にかなり近いですが、天然歯とは根本的な構造や素材が異なるため、インプラント治療後は、特有のケアが必要です。

＊構造の違いとは？
天然歯は歯根膜によって歯茎や骨と密接に結びついていますが、インプラントにはこの歯根膜が存在しません。そのため、歯茎や骨への影響を受けやすいのです。こういった構造の違いからもインプラントを長持ちさせるためには、メンテナンスが欠かせません。

■メンテナンスを怠ることで起こりうるリスク

インプラント治療後に適切なメンテナンスを行わないと、様々なリスクが生じる可能性があります。特に重要なのは、インプラント周囲炎という病気です。これは、インプラントを支える歯茎や骨に炎
症が起こり、最悪の場合、インプラントが脱落してしまうこともあります。

①インプラント周囲炎
口腔内の清潔が保たれないと、プラークが蓄積しやすくなります。このプラークが歯茎に炎症を引き起こし、やがて骨にまで影響を及ぼすことがあります。インプラント周囲炎が進行するとインプラントを支える骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが安定を失い、脱落する危険性が高まります。

②歯茎の炎症と骨の喪失
歯茎に炎症が起こると健康な組織が破壊され、インプラントを支えている骨が徐々に失われてしまいます。するとインプラントは十分な支持を得られなくなり、治療の失敗につながる恐れがあります。

③インプラントの寿命への影響
メンテナンスを怠ることで、長く使えるはずのインプラントの寿命が短くなってしまう可能性があります。適切なケアを行えば、インプラントは数十年にわたって機能し続けることが可能ですが、逆にメンテナンス不足はその寿命を大きく縮めてしまう要因になるのです。

④全身的な健康への影響
お口の中の炎症は全身の健康にも影響を与えます。インプラント周囲炎が進行してしまうと、炎症が血流を介して全身に広がり、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めるリスクがあります。

■定期的なケアのポイント

インプラントを健康に保つために意識しておきたい、ケアのポイントを見ていきましょう。

・歯科医院での定期検診
インプラント治療後は、少なくとも半年に一度は歯科医院での検診を受けましょう。定期検診では、インプラントの状態をチェックし、必要に応じてクリーニングや調整を行います。

・日々のセルフケア
日常的なケアも重要です。インプラントの周囲を清潔に保つために、毎日のブラッシングと歯間ブラシやデンタルフロスの使用を習慣化しましょう。特にインプラント周囲の清掃は念入りに行うことが大切です。

・正しいブラッシング方法と補助グッズの活用
インプラント周囲のブラッシングには、毛がやわらかい歯ブラシを使用しましょう。歯磨き粉には研磨剤の少ないものを選び、歯茎を傷つけないようにしましょう。また、インプラントの間には、汚れが溜まりやすい場所が存在するので、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのがおすすめです。

■まとめ

インプラント治療後のメンテナンスは、インプラントを長持ちさせ、健康な口腔環境を保つために不可欠です。定期的な歯科医院での検診と、適切なセルフケアを継続してインプラントの寿命を最大限に引き伸ばして快適に使用しましょう。

長く使用するためには、セルフケアはもちろん、喫煙習慣がある人は禁煙するなどの努力も大切です。