福島県郡山市の歯医者 宝沢伊藤歯科医院

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インプラント治療後にしみることはある?

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皆さんこんにちは!「機能的で快適な美しい口腔を創り、それを守り続ける歯科医療」を目指す、宝沢伊藤歯科医院です。

インプラント治療は自分の歯を失った際に、見た目や機能性を取り戻すための治療として大変優れた治療方法ですが、治療後の不具合に対して不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

本記事では、インプラント治療後に歯や歯茎がしみることはあるのかどうかについてお話ししていきます。

■インプラント治療後にしみることはない!

結論から言ってしまうと、インプラントが原因で歯や歯茎がしみるということは基本的にありません。インプラントは歯を失った箇所の顎骨にインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込み、その上に連結部分と人工歯を取り付ける治療なので、もともと人に備わっている神経は通っていません。神経がないので、痛い、しみるなどの刺激を感じることはないのです。ですので、インプラント治療後にしみるなどの症状を感じた場合は、ほかの問題が原因で起こっていると考えられます。

■歯や歯茎がしみる原因は?

歯や歯茎がしみて過敏になってしまう原因として下記のようなものがあげられます。

①知覚過敏
知覚過敏は、歯の表面を覆っているエナメル質が薄くなったり欠けることで、エナメル質の内側にあるはずの「象牙質」が剥き出しになってしまい、神経が刺激されることで痛む、しみるなどの症状があらわれます。冷たいものや熱いもの、甘いものや酸味があるものなどは刺激を感じやすく、主に飲食物を口にしたときや物理的な刺激を与えたときに感じます。飲食物を口にしていないのに急にズキズキと痛む場合は虫歯や歯周病など他の原因の可能性があります。

②虫歯
ミュータンス菌などの虫歯原因菌が出す酸によって歯の表面が溶かされ、進行すると歯に穴があいてしまい、痛む、しみるなどの症状が表れる歯科疾患です。糖分を栄養に虫歯原因菌は増殖するため、お口の中に食べ物や食べかすがある時間が続き、酸性状態が長引くと虫歯のリスクが高まります。虫歯になると、食事や歯磨きで痛みやしみるなどの症状を感じるほか、重度の状態になると、日常生活にも支障をきたすほどの激しい痛みなどを伴うようになります。

③歯周病
歯と歯茎の溝である「歯周ポケット」に、プラークなどの細菌が感染することで引き起こされる炎症性疾患です。はじめは歯肉炎と呼ばれ、進行すると赤みや出血、腫れや痛みなどの症状が起こります。歯周病は悪化すると、歯を支えている顎の骨を溶かして歯を失う危険性のある恐ろしい病気です。虫歯のように初期状態の自覚症状がほとんどないので、気づいたときには重度の状態になっているというケースも少なくありません。


■インプラント周囲炎が起こっている場合は要注意!

インプラント治療をした箇所は神経が通っていないので基本的に刺激を感じることはありませんが、インプラント周囲炎には注意する必要があります。インプラント周囲炎は、インプラント周囲の骨や歯肉が細菌に感染することで起こる炎症性疾患で、基本的な症状は歯周病と同じです。炎症が起こると出血や腫れなどのほか、歯や歯茎がしみる、痛むなどの症状が出ることもあります。インプラント周囲炎は口腔内の衛生状態が良好でなくなったときに引き起こされることが多く、インプラント治療後は特にお口の中の衛生状態を良好に保つ必要があります。歯磨きはできるだけ毎食後、就寝前と起床後の合計5回行い、少なくとも1日2回以上は行いましょう。歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用することで、磨きにくい箇所もしっかり磨くことができます。

インプラント治療をした箇所の歯茎がしみる場合は、インプラント周囲炎を引き起こしている可能性もあるので、見逃さないように注意しましょう。放置してインプラント周囲炎が進行すると、最悪の場合インプラント脱落などの失敗を招く可能性があります。

■まとめ

インプラント治療後に痛みや腫れがある場合、インプラントが原因でない可能性もありますが、どちらにしても自己解決せずにしっかり歯科医院で診てもらうことが重要です。違和感や不快感を感じたらすみやかに歯科医師に相談しましょう。