皆さんこんにちは！「機能的で快適な美しい口腔を創り、それを守り続ける歯科医療」を目指す、宝沢伊藤歯科医院です。

歯科治療の技術は日々進化しており、セラミック治療もセレックシステムの導入により、従来よりも短時間かつ安価に治療ができるようになっています。セレック治療は、デジタル技術を駆使してセラミックの歯を即日で作成することができるなど魅力の多い方法ですが、患者様のなかには、「質が落ちるのでは？」という不安をお持ちの方もいらっしゃいます。本記事では、セレック治療の特性や従来の治療との違いについて解説していきます。

■セレック治療の特徴
セレック治療は、CAD（Computer-Aided Design）とCAM（Computer-Aided Manufacturing）＝CAD/CAM技術を活用して行う治療です。患者様の歯をデジタルスキャンをしてコンピュータ上で設計を行い、CAM技術を用いてセラミックを削り出して高精度な補綴物を作ります。従来の型取りと比べると迅速かつ正確な補綴物の作成が可能になります。

また、セレック治療の大きなメリットは、治療が即日で完了するということです。従来のセラミック治療では、型取りを行った後、歯科技工所に依頼して歯科技工士が補綴物を作成し、数日間待つ必要がありました。しかし、セレック治療では、デジタルスキャンから補綴物の製作までを一日で行えるため、患者様は何度も通院する手間がかかりません。治療に使用される素材は従来のセラミック治療と同じように耐久性や審美性に優れており、自然な見た目と機能性を兼ね備えた補綴物を作成することができます。

■従来のセラミック治療との比較

①治療工程
従来のセラミック治療では、初診と治療計画の立案、歯の型取りと歯科技工士への依頼、補綴物の装着と最終的な調整というステップを踏む必要がありました。しかし、セレック治療の場合はこれらのプロセスを大幅に短縮しデジタルスキャンから補綴物の製作、装着までを一日で行うことが可能です。

②精度と適合性
従来の型取りでは精度が低下することがあり、歯科技工士による細かい調整は大きな利点だったものの手作業なので補綴物の精度の差が生じてしまうことがありました。一方でセレック治療ではデジタルスキャンによってより正確なデータを取得し、CAM技術を用いて補綴物を作るため、適合性も高くなります。さらに、デジタルデータだと歯科医師がリアルタイムで確認しながら調整できるので無駄な修正も少なく治療もスムーズに進みます。

■セレック治療の精度が高い理由

・デジタルスキャンによるもの
セレック治療では、歯のデジタルスキャンを行います。従来の型取りに比べてより正確なデータが取得できるため、歯の形状や咬み合わせを細かく反映させることが可能です。デジタルスキャンでは材料の収縮も起こらないため、精度も向上します。

・コンピュータ設計によるもの
CAD技術を利用することで、補綴物の設計もかなり精密になります。歯科医師はコンピュータ上でリアルタイムに設計を確認し、微細な調整をすることができます。こうした精度の高い設計によって患者様のお口の中にしっかり適合する補綴物を作れます。

・製造プロセスによるもの
高性能な機械「CAM技術」を使用することで、セラミックの削り出しも高精度になっています。設計通りの補綴物を迅速かつ正確に作成できるので、治療の精度と速度も大幅に向上します。

■セレック治療のメリットとデメリット

メリット
即日治療が可能なので、治療が一回の通院で済む
デジタル技術活用により補綴物の適合性が高い
質の高い素材で自然な見た目と快適な使い心地

デメリット
セレックシステムを導入のための初期費用が高額で導入している歯科医院が少ない
細かい色調や形状は従来のセラミック治療よりも劣ることがある

■まとめ

セレック治療は、従来のセラミック治療に比べて多くのメリットを持っています。「質が落ちてしまうのでは？」と心配している方もいるかもしれませんが、むしろセレック治療は精度が高い治療なのでご安心して治療を受けていただけます。