福島県郡山市の歯医者 宝沢伊藤歯科医院

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PMTCでむし歯・歯周病予防!~必要性や流れについて~

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皆さんこんにちは!
「機能的で快適な美しい口腔を創り、それを守り続ける歯科医療」を目指す、宝沢伊藤歯科医院です。

PMTCという言葉を聞いたことはありますか?
PMTCとは「専門家による機械的歯面清掃」を指します。
今回はPMTCについてその必要性やどんなことをするのかなど、詳しくご紹介します!


目次
■日本は治療中心でスウェーデンは予防中心?!
■PMTCの流れ
■PMTCの必要性
■PMTCについて気になるあれこれ
■まとめ




■日本は治療中心でスウェーデンは予防中心?!
歳をとっても、できれば自分の歯で食べたいと願っている人が多いにも関わらず、最期の時まで自分の歯で食事ができる日本人は、ほんのわずかしかいません。しかも、歯は老化で無くなっていくものだと思い込み、歯を守る対策をせずに諦めている人が非常に多いようです。

しかし、スウェーデン人の多くの高齢者は自分の歯で食事を楽しんでいます。日本とスウェーデンではいったい何が違うのでしょうか?その答えは歯科医療の歴史にありました。

日本もスウェーデンも歯科医師が100名程度だった時代の話しです。その当時は日本もスウェーデンもむし歯の痛みに苦しむ人や歯を抜いてしまったにもかかわらず、入れ歯が無く食べることがままならない人が大勢いました。

そこで、日本政府は痛みをとる応急治療や入れ歯がない人達に入れ歯を作ってあげて食事ができるようにしてあげて欲しいと歯科医師に要請しました。現在でも続く「痛くなったら痛みを取る治療をしましょう。詰めましょう。被せましょう。治療ができなくなったら歯を抜いて入れ歯にしましょう。」という『治療中心歯科医療』はそのようにして確立されていきました。

一方のスウェーデンでは「歯を抜いて入れ歯を作り続けたら、いつまでたっても歯で苦しむ人は減らない。なんとかこの負の連鎖を止めるために全国をまわって歯の大切さを伝える教育をして予防の習慣を身に付けさせてください。」という要請をしました。
そして『教育中心歯科医療』が確立していきました。日本が治療中心でスウェーデンが予防中心なのは、このような時代背景による影響が大きいと思われます。

そして、現在のスウェーデンでは、歯の大切さを教える健康教育は学校の役割、予防法を教え予防のサポートをすることが歯科医師の役割と役割分担されています。

このようにスウェーデンでは、小児期から歯の大切さを学び、歯の健康に興味を持ち、予防の手段を学び『予防して歯と口の健康を守っていく』習慣が身についていくのです。
日本人もスウェーデン人と同じ知識を持ち、同じ行動をして、歯の健康を守る習慣を身につければ、むし歯予防も歯周病予防もきっとうまくいくはずです。

口腔の健康を維持するためにスウェーデンで行なっていることは以下の4つです。
①教育(歯の健康の大切さ、むし歯になる理由などの教育、親子教育も含む)
②リスク評価を行い個人に合った予防戦略を立てる(セルフケアの確立・フッ化物の応用・生活習慣の改善など)
③定期的なプロフェッショナルケア【PMTC】
④「MI」を軸にしたむし歯治療

当院ではスウェーデンのこのような予防中心の考え方を取り入れた医療戦略により口腔の健康を守る努力をしています。


■PMTCの流れ
スウェーデンでも行われていることの1つであるPMTCは実際どんなことをするのでしょうか?ここではPMTCの治療の流れを5ステップに分けて解説していきます。

1)お口の状態をチェック
クリーニングを行う前に、お口の中をチェックします。
PMTCの前の準備ということです。

2)歯面の汚れ(プラーク)を落とす
歯石がついている場合は、機械や手用の器具を使って歯石を除去します。そして7,000〜10,000回転する電動歯ブラシのような機械を使って、歯面にこびりついている汚れを落とします。こうすることにより、お口の中で繁殖している細菌が作る、「バイオフィルム」を剥がすことができます。バイオフィルムを剥がして歯面をツルツルにすることで、新たな汚れや細菌を付きにくくします。

3)歯の間の掃除
フロスや歯間ブラシを使って汚れを落とします。実は大人になると歯面より歯と歯の間からの虫歯が出来やすくなります。また、歯の間に汚れが残っていると歯周病菌も繁殖しますので、虫歯だけではなく歯周病にも罹患してしまう可能性が高くなるのです。
なので、歯の間のお掃除はとても大切です

4)フッ素の塗布
歯のクリーニングが終われば、知覚過敏・虫歯予防のためにフッ素を塗布します。
普段の歯磨きで低濃度のフッ素を歯面に取り入れ、定期的にPMTCを受けた時に高濃度のフッ素を取り入れることで、より沢山のフッ素を取り込むことができ、歯面の強化に繋がります。白濁(はくだく)と言って「穴は開いていないけれど虫歯になりかけている部分」は、このフッ素塗布を続けることにより、虫歯を進行させずに済むこともあります。

5)アドバイス
PMTCの最後にブラッシングの方法や歯のトラブル予防についてアドバイスを行います。
患者様にお口の健康を保っていただくように、定期健診の大切さもお伝えしています。


■PMTCの必要性
【PMTCの必要性1】虫歯や歯周病の予防になる
PMTCを行うことで、お口のトラブルを防ぐことにつながります。
虫歯や歯周病の原因は歯垢です。
PMTCにより普段のブラッシングでは落ちない定着してしまった歯垢や歯石を落とす効果が見込まれます。特に、歯石は家庭でのブラッシングでは落とすことができません。
虫歯や歯周病を予防するには、プラークコントロールとPMTCを併せることが大切です。つまり、自分自身で行うケアと歯科医院でのメンテナンスを行うということになります。

【PMTCの必要性2】口臭を防ぐ
PMTCで歯垢を落とすことにより、口臭を防ぐことに繋がります。
なお、お口の匂いが気になる場合は歯周病の可能性もあります。
口臭で心配事があれば、早めに歯科医院で診察してもらうようにしましょう。

【PMTCの必要性3】歯がキレイになる
PMTCを行うことで歯がキレイになります。
例えば、ヤニや着色汚れも落とす効果が期待できます。
その他にも、歯の表面が滑らかになることが見込まれます。


■PMTCについて気になるあれこれ
●PMTCとスケーリングの違い
PMTCではスケーラーといった器具を使って歯石を除去します。
そのため、保険の適用ができるスケーリングと混同されることもあるでしょう。
PMTCとスケーリングはどこが違うのでしょうか。

スケーリングとは歯に付いたプラークと歯石を除去することをいいます。
歯の状態を確認してからハンドスケーラーや超音波スケーラーを使ってこびりついた歯石をこそぎ落とします。
保険適用でのスケーリングは、歯周病悪化の原因となる歯石を除去する歯石取りが行われます。

PMTCでのクリーニングは自由診療にはなりますが、短期間でも集中して歯をきれいに磨き上げることができます。
保険適用のスケーリングの場合は、何回かに分けて施術することになるため、忙しい人は自由診療のPMTCで一気にきれいにしたほうが良い場合もあります。

また、歯槽膿漏になりやすい、口臭が強いなど、口腔環境が良くない人はPMTCで徹底的にきれいにすることがおすすめです。
ホワイトニングを検討している人であれば、PMTCで歯をつるつるにしてから行うと、より効果が長持ちするでしょう。

●特にお勧めの方
・矯正歯科治療中の方
・乳歯から永久歯に生え替わる次期
・乳幼児と接する機会の多い人(ミュータンス菌の感染を防ぐ)
・ホワイトニング治療をする方、した方
・喫煙者・糖尿病の人

●費用の目安
4,400円~8.800円程度(税込み)※自費

●効果継続時間
3~4ヶ月

●施術時間
30分から1時間程度(分割して行うことも可能)


■まとめ
いかがでしたでしょうか?PMTCや予防歯科についてご理解いただけましたでしょうか?
『特別な機械を使って、汚れをバイオフィルムごと剥がし取る』ことにより、汚れの付着を抑え、細菌の繁殖を抑制できる事がPMTCのメリットです。

ちなみに痛みは全くありません。途中で居眠りをしてしまう患者様もいらっしゃいます。
良いこと尽くしですね!!

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