福島県郡山市の歯医者 宝沢伊藤歯科医院

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インプラント手術後の過ごし方

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皆さんこんにちは! 「機能的で快適な美しい口腔を創り、それを守り続ける歯科医療」を目指す、宝沢伊藤歯科医院です。


インプラント治療はほかの歯科治療とは異なり、外科手術が必要になる治療方法です。身体の負担や精神的な負担も少し大きくなってしまうため、不安を感じる方も多いですよね。


今回の記事ではインプラント手術後の過ごし方や注意点などを詳しく解説していきますよ。インプラント治療の経験がある方も、インプラント治療を検討している方も参考になる内容です。



■インプラント手術は1回では終わらない!?


インプラント治療は、主に以下のような流れで行われます。

①カウンセリング・口腔内の各検査
②顎骨への人工の歯根(インプラント体)埋入手術
③人工歯(上部構造)の製作および装着
④治療後の定期検診・メンテナンス

この治療の流れだけ見ているとインプラント治療における手術は1回だけとイメージしてしまいますが、実はインプラントの治療法には1回法と2回法と呼ばれる2種類があります。

1回法でも2回法でも必ずインプラントを埋入する手術は必要です。1回法を選択した場合であれば、術後経過を見て人工歯を被せて治療は完了になります。しかし、1回法が適用されるのは、顎骨の厚みが十分であると判断された方のみです。ほとんどの方が2回法を選択することになります。

2回法は、インプラント埋入手術のほかにもうひとつ、インプラント上部の粘膜を切開してアバットメントを連結する手術が必要になります。2回法は、1回目の術後3ヶ月〜6ヶ月ほど経過した後に、アバットメントの連結が行われるため、その間は仮歯を装着していることになります。ですので、上部の歯の部分が使用できるようになるのは約半年後になります。


いずれにしても、完全に治療が終わるまでは術後のおうちでのケアやメンテナンスが大切になります。


■インプラント手術後の出血や腫れ、痛みは?対処法はある?


局所麻酔を用いて手術が行われるため、術中の痛みはほとんどありません。しかし、麻酔が切れた後には痛みが生じやすくなり、腫れも術後3日目くらいにピークを迎えます。出血に関しても、術後に歯科医院で止血はしっかり行われますが、どうしても時間が経過すると血が滲んできたり、人によっては当日中は出血の量も多いと感じられることがあります。

歯科医院では抗生剤のほかに、鎮痛剤も処方されるので、痛みが辛いときは薬を飲んで痛みをコントロールするのが良いでしょう。腫れが辛いとき冷えピタや濡れたタオルなどで冷やすのがおすすめです。冷やしすぎると逆に負担を与えてしまうので注意が必要です。術後の痛みも腫れも、1週間程度でやわらぐケースがほとんどなので、こうした対処法で乗り切りましょう。

術後の帰宅中に出血が気になる場合があるので、マスクを準備しておき、下にティッシュなどを挟んでおくのがおすすめです。血が滲んできたときは落ち着いて清潔なガーゼやティッシュを施術部位で噛みましょう。10〜15分ごとに新しいガーゼに交換して圧迫止血していきます。

血は唾液と一緒に出てくるため、はじめは血の量が多いと錯覚し、焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて上手に止血ができればほとんどは翌日には収まるので安心してくださいね。術後当日は、寝ている間に出血して血まみれになってしまうケースもあるので、汚れても大丈夫なタオルやシーツを敷いて、白い服は着ないで睡眠をとりましょう。


■術後の過ごし方の注意点やポイント


術後はとにかく安静にしていることが大切です。可能であれば休みをとっておうちでゆっくりするのが良いでしょう。術後1週間は、飲酒・喫煙は厳禁です。手術直後は担当医から薬が処方されますので指示通り、飲み忘れがないように服用しましょう。


*食事


術後麻酔がまだ効いているうちは口元の感覚が失われている状態になります。感覚がないので、頬や唇を強く噛んでしまったり火傷をしてしまうリスクが高くなります。

麻酔がきちんと切れるまでは飲み物だけにするのがおすすめです。麻酔が切れてからも、食事の注意点はいくつかあります。術後1週間程度は、負担がないように、うどんやおかゆ、スープなどやわらかいものを選び、硬いものや辛いものなどの刺激物、ガムはやめましょう。

やわらかい食べ物であっても細かく切って食べたり、少量にして食べるなどの工夫をすることが大切です。何よりも口元に負担をかけないように意識することが重要ですよ。咀嚼時は施術した方と反対の方で噛んでゆっくり食べましょう。

*入浴・運動

術後3日程度は、血行を促して痛みや出血の原因になりかねない入浴も厳禁です。シャワーで我慢して熱いお湯は避けましょう。激しい運動は、術後1週間は控え、術後2〜3日程度は軽い運動であっても避けましょう


*歯磨き


術後でも施術箇所以外は、いつも通りお手入れが必要です。汚れや菌が溢れかえっている口内では施術部位にも悪影響を及ぼす可能性があるため丁寧にケアを行いましょう。歯ブラシは毛先の柔らかいものを選びましょう。

施術部位やその周りは歯磨きをすると傷口が開いてしまったり、痛みが生じるリスクがあるため、抜糸をするまでの期間はブラッシングするのを控えましょう。

歯科医院からうがい薬が処方されることもありますが、抜糸までの7〜10日程度は激しくうがいをすると傷口が開いてしまうので、優しく軽くを意識してくださいね。


■この症状があれば速やかに担当医に相談!


痛みや腫れ、出血が起こっても問題はありませんが、鎮痛剤を飲んでもまったく効かない場合や、薬の量を増やしても効き目がない場合は、速やかに担当医に相談しましょう。1週間以上経過しても腫れや痛みがひかない場合も同様です。

そのほか、鼻から出血したり術後2日以上出血が見られたりする場合も、すぐに歯科医院に行きましょう。上顎の手術をすると膿が出てしまうこともあり、下顎の手術の場合には、下唇が震える、よだれが出るなどの症状が続いてしまうことがあります。いずれも施術部位周辺に異常が出ている可能性があるので、すぐに相談しましょう。


■まとめ


インプラント手術後は安静にすることが一番大切です。食事や運動、入浴の注意事項を守り、無理をせずに休息をとりましょう。また、おうちでのケアにくわえて、歯科医院でのメンテナンスも重要になります。自分では気付けない違和感や異常も発見し、対処も早くなりますよ。