福島県郡山市の歯医者 宝沢伊藤歯科医院

News Letter Vol.9 2009 春号

ひとこと

 最近、新聞やテレビで「歯科医師過剰時代」という内容の記事や報道を見ることがあります。これは、1日に30~40人の患者さんを診療する治療中心型スタイルをベースにした報道だと思われます。
 欧米では、すでに治療中心型から予防中心型のスタイルに変更され、多くの国民から高い評価を受けています。このようなスタイルの医療では歯科医師も歯科衛生士も1日に10人程度の患者さんしか診療せず、ゆったりと計画的な歯科医療の提供が可能になります。日本も早くこのようなスタイルにして、歯科医師過剰などと言われないようにしてはいかがなものかと私は思います。
院長 伊藤 克紀

完全予約制についてのご説明とお願い

 当院は、完全予約制で診療を行っております。
 完全予約制とは、皆様とお約束した時間に「歯科医師」「歯科衛生士」または「クリニカルコーディネーター」がお約束いただいた患者さんのためだけに、時間を空けてお待ちするシステムのことです。そのため、お待たせすることなく予約時間通りにはじめることができ、計画的でゆとりのある質の高い医療の提供が可能となります。
 これに対して、時間予約制は同じ時間に何名かの患者さんを重複させて予約するシステムです。ですから、時間通りに行っても待たされたり、予定とは違う内容の診療になったり、治療時間が短かったりするのです。歯科医院にとっては空いた時間を作らない都合の良いシステムですが、これでは質の高い計画的な治療はできません。
 当院では医院の都合より、提供する医療の質に重点を置き、今後も完全予約制での診療に従事したいと考えております。
 皆様が、気持ちよく治療できるように院長をはじめスタッフ一同努力してまいりますので、皆様もこの「完全予約制」のシステムをご理解のうえ、やむを得ずキャンセルなさる場合は事前連絡のご協力をお願いいたします。

デンタルグッズ紹介

今回は「キシリトールガム」について紹介します!

 白樺(しらかば)や樫(かし)などの樹木からとれる天然の甘味料です。砂糖とは異なりむし歯の原因にはなりません!また、キシリトールにはむし歯菌の力を弱めたり、唾液分泌促進によって、歯の再石灰化を助けるなどの作用もあり、むし歯予防に効果的です。

むし歯予防には、キシリトールが高濃度のものが有効といわれています。
 スーパーやコンビニで市販されているキシリトールガムもありますが、キシリトールの含有量が少ないのです。ですから、積極的にむし歯予防を目的として摂取するには不十分となります。
 当院で販売しているキシリトールガムは歯科医院専用のもので、どれもキシリトール100%なのでむし歯予防に非常に効果的です!食事やおやつの後にキシリトール入りのガムやタブレットでむし歯予防をされてはいかがですか?
ガムが噛めない方にはタブレットもあります!ぜひお試し下さい!!

注意:ただし、一度に多量に食べると、体質によりお腹がゆるくなる場合がありますので、食べ方には気をつけて下さい。

セミナー報告

「歯肉縁下プラークの成長速度」

 「歯肉縁下」とは歯ぐきの隙間の奥の方という意味ですが、隙間より上の部分のプラークコントロール(セルフコントロール)が隙間の奥にいる歯周病菌の成長速度にも大きな影響を与えるという内容でした。つまり歯周病の発症だけでなく進行にもセルフコントロールが大きく関わっているということなのです。
  • プラークコントロールが80%以上細菌の成熟には3ヶ月から6ヶ月かかる
  • プラークコントロールが50%以下4~6週ほどで成熟してしまう
 やはり、セルフコントロールによるプラークコントロールがしっかりできていないと、歯周病の治癒が難しいということです。プリベンションをしっかり受けて80%のプラーク除去を目指してほしいと思います。
 また、この報告からPMTCの間隔を割り出すこともできます。つまり、プラークコントロールがしっかりできている人は3ヶ月から半年に1度、できていない人は1ヶ月に1度のPMTCが大幅な目安となるということです。ただし、プラークコントロール以外にも・歯周病菌の種類やその量 ・喫煙の習慣 ・糖尿病などの全身疾患の有無などもリスク因子として考慮が必要です。それらのことを考慮に入れて担当の衛生士と相談してメンテナンスの間隔は決めてください。
歯科医師 柳田 まさえ

「医院活性化セミナー」

 今回のセミナーでは、「おもてなし」と「カウンセリング」について勉強してきました。
◇患者さんをもてなすために院内で出来ること
 クリーンな環境に心掛け常に院内を清潔に整理しておく。(抗菌・消臭)
 身だしなみを整える。(白衣の汚れ・ナースシューズの汚れ・髪の毛の乱れ)
 癒しのアートを取り入れる(インテリア・植物・絵画)
◇カウンセリングをする時に大切なこと
 患者さんの不安に思っている事、何を求めているのか親身になって話しを聞く。また患者さん一人ひとりに合わせたデータやツールを使い、分かりやすく説明をし、自分の口腔内の状態を知ってもらう。また治療後のメンテナンスの大切さを患者さん自身に気づいてもらう。
今回セミナーで勉強してきた内容は、過去にも何度か勉強してきたことで、当院でも、院内環境の整備や身だしなみは日頃から気をつけております。また、カウンセリングを実施し患者さん一人ひとりにあった最善の医療を提供することにも心がけておりますが、改めて患者さんに気持ちよく治療をうけてもらうため、院内の環境整備・カウンセリングの重要性を実感する事ができました。今後もスタッフ一同よりいっそうおもてなしの心を忘れず、頑張って取り組んでいきたいと思います。
クリニカルコーディネーター 大竹 由実子

アンケート結果

 1月上旬から3月下旬にかけて皆様にお答えいただきました、ファーストカウンセリングについてのアンケートの結果を報告させて頂きます。質問内容と集計結果は以下のとおりになっております。




次に皆様よりお寄せいただきました、コメントを抜粋して紹介させていただきます。
◆説明をしていただけることで、安心して治療を受けられました。
◆最初に治療方針を説明していただけたので、安心して通院できました。説明もとても分かりやすかったです。
◆自分の考えがお医者さんによく伝わったので、よいと思う。
 「治療の目的」を明確にしておくことは、医療を提供する側、される側双方にとって、大変大事なことです。医師が提供したい医療と、皆様が提供してほしい医療には違いがあります。その差を埋めることがカウンセリングの大きな目的です。
 今回たくさんの御意見をいただきましたが、好意的な御意見が多くうれしく思います。ただ、今回のアンケート結果に甘んじることなくさらにカウンセリングを充実させ、歯科医師や歯科衛生士と皆様の架け橋になれるよう、クリニカルコーディネーターは向上心を持って取り組んでいきたいと思います。
アンケートありがとうございました。