今回のセミナーでは、歯周病の検査結果をその後の治療にどのように活用するかを学びました。
　歯周病はプラークの中の歯周病菌によって引き起こされる感染症で歯茎の炎症に始まり、進行すると歯を支える顎の骨が溶ける病気です。治療の目標は、細菌感染が起こりにくい環境を整え、顎骨の健康を守ることです。そして、細菌の住処となる歯周ポケットを減少させ、検査時の出血を全体の10％以下にしていくことが重要です。
　歯周病は多因子性の疾患であることがその治療を難しくしている大きな要因です。病気の始まりは歯周病菌による感染ですが、その後の歯周病進行には、身体の病気（特に糖尿病）が関わり、喫煙、歯並びや噛み合わせの悪さも重症化の因子です。これらの複数の因子が重なり合うことで悪化のスピードに加速がついていくことになります。さらに、精神的、肉体的ストレスも関わることから皆様に私たちが様々なことを診療の際お聞きするのは、細菌の問題だけを改善しても歯周病が改善するとは限らないからです。なのでいかに早期発見、早期治療が重要かということを実感しました。
　セミナーの中で、様々な論文、専門家の投票を元に歯周病の治療の中で、現在推奨する方法から推奨しない方法も知りました。推奨する治療には、当院で歯周ポケット内の治療で行っている、手用の器具と、超音波の機械を使った方法があります。その適切な器具の選択や確実な治療で歯を支える顎の骨が安定を目指せるようです。ただしポケット5mm以上は、進行リスクが4.2倍、垂直な骨の欠損がある場合は10.6倍と進行リスクが多いのです。
　いかに進行リスクを減らすために、私たちは日頃いろいろな治療、骨の欠損には、再生療法の手術など提案しております。
　そして治療するには患者さん自身の良好なプラークコントロールが改善の近道で、心身共に健康でいることや、正しい食生活の習慣も重要です。セミナーを通して、これからも患者さんに寄り添い日々勉強して知識のアップデートをしていきたいと思います。

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