当医院では、歯周病学会認定衛生士でSDAインストラクターとして活躍されている大金容子先生を定期的にお招きして勉強会を行っております。勉強会の目的は歯科医療において世界の最先端を行くスウェーデン式歯周病治療や予防に関して、患者さんとの信頼関係の築き方などを学ぶことです。
12月2日行われたセミナーでは、歯周病治療やメンテナンスを行う上で重要な歯周病組織の構造や生物学、歯周インフェクションコントロールの講義や、日頃の治療において私たちが抱える悩みについてアドバイスを頂いたり、私達がいつも行っているプローピング(歯周病の検査)や超音波スケーラーチップの当て方や、エアフローの動かし方の実習を行いました。
歯周インフェクションコントロールとは、生体と細菌のバランスを整えることですが、それは感染が起こらない程度に歯周ポケット内の細菌数をコントロールしていくことをいいます。
歯の根の最表層には「セメント質」という層がありますが、骨の高さを維持するのに大事な組織です。歯周病で歯石が沈着した時に、無造作にガリガリと器具を使って歯石とりをするとセメント質が削られてしまい、かえって骨を維持するのが難しくなってしまいます。どのような道具を使い、どの程度の力でスケーリング(歯石とり)をするかが、長期予後のためには重要なことです。宝沢伊藤歯科医院では患者さんの病態にあわせた道具を選び、セメント質を守りつつ歯石とりをしています。さらに選んだ道具を適切に使用できる技術が必要です。ですから定期的に講師を呼んで繰り返しその技術を習得して行くのです。
予防に関しては患者さんが毎日行うホームケアによるプラーク除去、定期的な来院によるポケット内の細菌のコントロールが不可欠です!歯周病のコントロールのためには生活習慣の改善も必要なことがあります。私達歯科衛生士は患者さんの生活背景や生活習慣も考慮して治療やメンテナンスを提案させていただきます。
毎回セミナーでは新しい知識や、高度な歯周病治療を習得でき有意義な時間です。学んだことを日々の治療やメンテナンスに生かしみなさまに提供していきたいです。
衛生士 國井 由香