東日本大震災という大きな自然災害が起こって4ヶ月が経ち、被害を受けた多くの地域が復興に向けて歩みだしている様子を毎日報道番組で見ると東北人の底力を感じます。
しかし、郡山市は原発の問題が未だに終息せず、すっきりしない毎日を過ごされていることでしょう。そこで、被曝に関して私が知っている重要なことを皆様にご報告致します。
被曝には外部被曝と内部被曝がありますが、レントゲン検査による被曝は外部被曝にあたります。これに対して飲み込んだり吸い込んだりして体内に取り込んだ放射性物質によって被曝することを内部被曝といい、我々が気をつけなくてはいけないのは、この「内部被曝」です。同じ線量でも外部被曝とは桁違いに大きな被爆線量となり人体に悪い影響を与えるのです。癌を代表とした重篤な疾患になるリスクが高くなるのが内部被曝であり、特に小児には注意が必要です。ですから、毎日の生活では手洗いやうがいをしっかりと行い、外ではできるだけマスクを着けて土ぼこり等が口から入らないようにすること、食べるものにも注意をしてください。
患者さんの中には外部被曝と内部被曝が一緒になってレントゲン撮影を怖がる方もいらっしゃいますが、現状ではレントゲンによるわずかな被爆線量はまったく問題ありません。むしろレントゲンを撮影せず、病気の確定診断をせずに医療行為を行うことのほうが問題だと思います。当院で使用しているフィルムは超高感度で被爆線量がわずかですので、妊婦さんでも安心してレントゲン検査を受けていただけます。
院長 伊藤 克紀