福島県郡山市の歯医者 宝沢伊藤歯科医院

News Letter Vol.12 2010 春号

ひとこと

〈歯を削らない治療法〉

 最近、「歯を削らない治療」がマスメディアで取り上げられる機会が増えているので少し解説をしたいと思います。
 20世紀の歯科医療は、歯を削り続けて、削れなくなったら抜いていく「健康消費型医療」でした。21世紀は予防して守っていく「健康増進型医療」が中心になるでしょう。欧米ではすでにそのような歯科医療が中心となり、高齢者の義歯使用者が減り歯科医療がQOL(生活の質の向上)に貢献しています。宝沢伊藤歯科医院も欧米の考え方で治療や予防をすることを勧めています。
 現在、ドリルで歯を削らない「むし歯治療」には①レーザー治療 ②オゾン療法 ③3Mix-MP法 ④カリソルブの4つの方法があります。
 このうちレーザー治療とオゾン療法は、初期むし歯の治療に主に使用され、細菌を殺菌してむし歯の進行を止める治療法です。レーザー治療に関しては歴史も古くレーザー学会からの治療効果に対する臨床報告も多くあり、安全で確実な治療法であるため宝沢伊藤歯科医院でも行っております。特に、当院で使用している「ネオジウム・ヤグ・レーザー」は殺菌のみではなく「歯質強化」もできるレーザーですから、術後の再発も抑えることができます。自信を持ってお勧めできる治療法です。
 オゾン療法は有効な治療法になっていく可能性はありますが、学会からの治療効果の報告はまだなく、そのため厚生労働省の認可もおりていません。使用法も確立していない治療法です。今後のさらなる研究に期待したいと思います。
 3Mix-MP法は3種類の抗生物質を混合し、歯に詰めて殺菌と歯の神経の鎮静を行う方法です。当院でもほんの一時期臨床応用した方法ですが、『日本歯科保存学会』から2009年に「保存領域の治療に用いた場合の安全性と有効性に関する高いレベルの化学的根拠がなく、現状では保存領域の治療技術として容認できない」との見解が出されたため、現在は使用していません。
 カリソルブはむし歯になった部分を選択的に溶かしてくれるという薬剤を使用した治療法です。健康な部分は溶けないので、ドリルで削る方法に比べ、健康な歯質を多く保存できることが大きなメリットで、宝沢伊藤歯科医院でも導入を考えた薬剤です。しかし、術後の形態が複雑になってしまうため、その後の詰め物に軟らかい樹脂しか使えず、また歯と歯の間にかかるむし歯には適応できないことが問題です。確実性にも問題があるという報告もあります。健康保険が適応とならず費用がかかるのも問題です。以上の理由から当院では使用しておりません。
 ドリルで歯を削らずに治療ができるのは、歯牙の負担も患者さん自身の負担も少なく、良い治療法です。現状では、上記のような理由からレーザー治療だけを取り入れております。特に小児の初期むし歯には有効と考えています。お子さんの将来の歯の健康のためにも積極的にご利用ください。
院長 伊藤 克紀

アンケート報告

 1月中旬から2月下旬にかけて、パソコンや携帯からアンケートの回答にご協力いただきありがとうございました。患者様のお声を真に受け止め、すぐに話し合いの場を設けました。アンケート結果がまとまりましたので報告させていただきます。
 良い点ですが、「治療の説明が丁寧でわかりやすいので安心できる。」「予約制なので時間をきちんと守ってもらえる」「スタッフ全員明るくて親切で感じが良い」などとても嬉しいお言葉をいただきました。
 また、ご指摘いただいた点ですが、1つ目は、「うがいの排水溝がつまり気味です」とのことでした。
 患者様に気持ちよく診療を受けていただけますよう細かい所まで目配り気配りを忘れず気をつけていきたいと思います。
 2つ目は、「スタッフ同士の私語が少し多いのではないか」とのことでした。今後、話の場をわきまえて一人ひとり行動していきたいと思います。
 3つ目は、「実習生が一緒のときは時間がかかる」とのことでした。当院では、研修生、実習生の実習場所として協力している為、定期的にきて勉強しています。
 多くのことを学ぼうと一生懸命がんばっていますので、ご迷惑をおかけすることもあると思いますが、温かい目で見守っていただければ幸いです。
 今後も宝沢伊藤歯科医院が、患者様一人ひとりとより良い関係を築いていけるように、たくさんのアドバイスをいただけますようよろしくお願い致します。
受付 安斎 香

スタッフ紹介

歯科医師(非常勤)大友 悠資

 歯科医師の大友と申します。4月より、土曜日を中心にこの医院にお世話になることになりました。
 出身は宮城県です。趣味は、映画鑑賞です。
 患者さんの口腔健康の増進に、全力を尽くして頑張りたいと思います。
 宜しくおねがいします。

洗口液について紹介します★

 「洗口液を使ったら、歯磨きはしなくてもいいのでしょうか?」と聞かれることがよくあります。
 CMなどでは、歯周病菌を殺菌すると宣伝されていますが、洗口液でうがいするだけでは、歯周病やむし歯の原因となるプラークは、落とすことが出来ません。また、歯周病も治すことができません。
 プラークは細菌のかたまりになっているので、必ず歯ブラシでのブラッシング、フロスでのフロッシングが必要です。
 ここで、プラークの成り立ちについて分かりやすく解説します。
 プラークは、「細菌バイオフィルム」という建材で作った家のようなもので、なかには、多数のバイキンが、共同生活をしています。バイオフィルムの家に、薬の雨を降らせても中にいるバイキンたちは、平気です。プラークにうがい薬や抗生剤が、効かないのはこういうことです。
 ですから、歯ブラシやデンタルフロスを使って家を壊した後に薬を使えば、バイキンたちにダメージを与えることができます。
 宝沢伊藤歯科医院で、処方しているうがい薬にはグルコン酸クロルへキシジンという殺菌効果がある薬が入っており、これは、家を壊されたバイキンには有効です。また、プラーク付着抑制効果もあるので、歯周外科手術後に処方するのは、手術部分の歯磨きが出来るようになるまでのプラーク抑制をして、新たなバイキンが歯周ポケットに入り込むのを防ぐためです。普段洗口液を使用するのであれば、しっかりとブラッシング·フロッシングした後の+αとして、使ってみてはいかがですか!?
歯科衛生士 國井 由香

セミナー報告

歯科医師、歯科スタッフ向け全身管理実習

 去年の1回目実習に続き、2回目1/21、3回目2/18の実習を奥羽大学で行いました。
 2回目の実習内容は「全身疾患の対応」ということで、出血性素因(原因)を確認するために止血の測定や、アレルギーを把握するための皮内テスト、また全身状態を把握し急変時や緊急時に対応するための血圧、O2、心電図モニターの見方の実習をしました。
 3回目の実習内容は「緊急時の対応と投薬」のテーマで全身的な投薬を行うために点滴静脈注射と緊急時や急変時に対応するために筋肉注射の実習。最後に薬の使用法で、薬に関してはアナフィラキシー対策のガイドラインを学びました。
 歯科医院に来院される患者さんの中には全身疾患のある方もいるため、歯科治療時に私達がどんなことに気をつけていればいいのか、また、歯科治療時に問題が発生したときにどのように対処すればいいかがわかりました。ただ、一番大切なのは患者さんの全身の健康状態を把握し、適切な対応を取ることで問題が起こらないようにすることだと強く感じました。
 これからも、たくさんのことを学び安心して治療を受けていただけるよう、努力していきたいと思います。
アシスタント 押山 暁恵

イベント報告

 2月20日、歯科医師会で企画されたボーリング大会がありました。郡山市の歯科医院が集まって、各医院対抗で順位を競い合いました。
 上位入賞の医院には賞品が贈呈される事もあり、ワイワイと楽しみながらも、真剣に投げていました。そして、宝沢伊藤歯科チームはなんと、団体戦で準優勝!そして個人男子の部でも技工士の五十嵐さんが準優勝に輝きました☆ちなみにブービー賞もとりましたよ(笑)ブービー賞にも賞品があり、中身は洗剤が入っていました。ボーリング大会が終わってからはスタッフみんなで “お疲れ様” の食事会。頑張った後のご飯は最高でした。
 今回のボーリング大会、みんなで力を合わせて入賞する事が出来てとても楽しい時間となりました。
アシスタント 大竹 由実子