6月10日から11日に東京で開催された日本顎咬合学会に参加しました。今回の学会のメインテーマは「国民の健康・幸せに貢献する」でした。歯とお口の健康を守り、国民の幸福に貢献するためには、「検査・診断」そして「メインテナンス」がより重要である事を、多くの先生が講演の中で強調されていました。正確な診断を下すためには、適正な検査が必要となります。
起こった問題の原因は一つとは限りません。例えば詰め物が取れた場合、様々な原因が考えられるため、いくつかの検査が必要となります。
①詰め物は正確に作られていたか②歯が適正な形態で削られていたか③詰め物の中で虫歯ができていないか④噛む力が詰めの物を外す方向に働いてないか⑤噛み合わせがずれていないか⑥歯周病の進行により噛み合わせのバランスが崩れていないかなどの検査をして正しい診断のもと適切な治療計画が必要です。さらには食生活や悪習癖といった、一見関係のなさそうなことも原因へとつながっています。そのため、必要な検査を行うことや生活習慣を聴取することは、正確な診断を行うために必要であると再認識できました。
メインテナンスについても、たとえ症状がなくとも定期的に検査・クリーニングを行うことは早期発見・予防となり、将来自分自身の歯で食事をすること、すなわち健康寿命を延ばす事へとつながるのです。
また、たくさんの経験豊富な先生方がまだなお研究を続け、臨床に情熱を注がれている姿をみて、私も日々努力をしていかなければならないと痛感致しました。
今後もより良い医療を提供できるよう精進して参ります。
歯科医師 根本 万里