私は今年の4月から毎月1回計6回東京で開催されている 「政志塾」 に参加しています。 日本歯周病学会指導医の斉藤政一先生をはじめ著名な先生方から直接学び質問できる勉強会です。勉強会の主旨は「歯を長持ちさせる」です。
最近の厚生省の統計によると、日本人の歯は再治療を3回繰り返すことにより、失われているようです。 目は老眼になっても失明する人はわずかです。脳、肺、肝臓、耳、指など私たちと共に生きており、 当然歯も老化により失われていくものではありません。日本の一般的な歯科治療は痛みを取り除く対症療が中心です。 しかし、 対症療法を繰り返していけば歯の寿命は短くなってしまいます。
そこで歯の寿命を延ばすには、 お口の環境の改善とセルフコントロールとプロフェッショナルコントロールの充実が必要不可欠だとわかりました。
その為には、虫歯菌、歯周病菌の質と量を把握し一人一人にあったプラークコントロールを知り、正しいブラッシング、 フロッシングの仕方を身に付けなければいけません。そしてセルフコントロールを充実させるためのサポートをシステムとしてチーム医療で取り組んでいくことを学びました。
当院で行っているプリベンションはセルフコントロールをサポートするシステムです。例えば、細菌検査 ①唾液検査(目で見えない虫歯菌の原因を追究する検査)②バナペリオ(歯周病菌の質や量を調べる検査)によりオーダーメイドのプラークコントロール法を考えます。その結果とカウンセリングから生活習質の改善やプラークコントロールのアドバイスができます。次に正しいブラッシングや歯間ブラシ、フロスの使い方を身に付けてもらうようにサポートします。
ここまでは、歯科衛生士の役割が大きいですが、この結果から歯科医師が治療の計画をたて治療を行います。 歯を長持ちさせる治療をするために色々な勉強会に参加したり、 本を読んで知識と技術を身に付けて行こうと思います。
治療の後は、健康維持のためのメンテナンスです。メンテナンス(PMTC)とは専用の機械や器具を使って磨き上げたり、バイオフィルムと呼ばれる細菌が作った膜を歯や歯のまわりから取り除く方法です。バイオフィルムはうがいや歯磨きでは取り除くことができないのでPMTCによって取り除くことが効果的です。
最後に歯を長持ちさせるためには、皆さんの日々のセルフコントロールとプロフェッショナルケアが最重要ですから、 私も治療に全力で取り組みますので皆さんもせひシステムを活用して頂き、一緒にロと歯の健康を守っていきましょう。
歯科医師 大桶直子